朝礼

新卒で入社した田中は、会社の朝礼で社訓を唱和する際、射精した状態で参加することが義務付けられている部署に配属された。


「おはようございます!今日も一日、気を引き締めて頑張りましょう!」


部長の掛け声と共に、男性社員たちは一斉に射精しながら社訓を読み上げる。
最初は恥ずかしくて仕方なかった田中。毎朝憂鬱で、辞めたいと何度も思った。初日は緊張しすぎて全然出なくて、みんなが終わってからも一人で頑張っていた。

二日目は逆に早すぎて、まだ社訓が始まってもいないのに終わってしまった。
そんな田中を見て、先輩の佐々木さんが優しく声をかけてくれた。


「田中君、最初は誰でも戸惑うよ。でも君は頑張ってる。俺たちはちゃんと見てるからな。コツは、部長の『おはようございます』の『お』の瞬間に始めることだよ」


佐々木さんは毎朝、田中の隣に立って、タイミングを教えてくれた。時には田中が緊張で出ないときは、こっそりぺろっと舐めて手伝ってくれることもあった。他の同僚たちも、田中が困っているときは必ず手を差し伸べてくれる。


「田中君、今日は調子いいじゃないか!」
「昨日より量が多いね、成長してるよ!」


みんなの温かい言葉と、時々のお手伝いに支えられ、田中は少しずつこの職場に馴染んでいった。この部署の結束力は他の部署とは比べ物にならないほど強かった。


半年が経つ頃には、田中も朝礼のリズムを完璧に掴めるようになった。一年が経つ頃には、後輩の指導も任されるようになった。


新人の山田君が入ってきたとき、田中は自分がかつてそうしてもらったように、山田君の隣に立った。


「山田君、最初は誰でも戸惑うよ。でも君は頑張ってる。俺たちはちゃんと見てるからな」


山田君が緊張で固まってしまったとき、田中は佐々木先輩がしてくれたように、そっとぺろっと舐めて手伝ってあげた。山田君は感動して涙を流した。


部長からも「田中君は筋がいいな。将来有望だ。射精のタイミングも完璧だし、後輩の面倒見も良い」と褒められ、田中は嬉しくて涙が出そうになった。

 

 


ただ不思議なことに、そんな田中も、孫に見られるときはちょっと恥ずかしいのである。